左利き

日本人の約11%が左利きだといわれています。

10人に1人強という割合ですので、決して高い割合とはいえませんね。

ところで、左利きの人が生まれるのは何が原因なのでしょうか?

今回は、どうして左利きの人が生まれるのかということにスポットを当てて、その謎に迫ってみたいと思います。

左利きが生まれるのはどうして?

左利きが生まれる原因として真っ先に思いつくのが、「遺伝」によるものですよね。

実際、両親の利き手がどちらであるかということは、その子どもの利き手を決定するのに大きく影響しているようです。

・両親ともが左利きである:子どもの26.1%が左利き

・両親のうちどちらかが左利きである:子どもの19.5%が左利き

・両親ともが右利きである:子どもの9.5%が左利き

やはり、両親ともが右利きであるよりも、どちらかが左利きであるほうが、子どもも左利きである割合が高く、さらに両親ともが左利きである場合は、かなり高い確率で子どもも左利きになるという結果が出ていますね。

ただし、「利き手を決める遺伝子」というものがあるのかというと、そのようなものは発見されていません。

では、利き手を決めるのはいったい何なのでしょうか?

左利き、右利きが分かれてくるのはいつ?

実は、利き手は胎児の段階ですでに決まっている可能性が高いといわれています。

お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんを超音波で検査してみると、わずか妊娠8週目の段階でどちらか片方の手を、もう一方の手よりも頻繁に動かしているということが見て取れたというのです。

さらに、妊娠13週目になると決まった方の手の指をくわえ始めるということもわかりました。

つまり、お腹の中の赤ちゃんにもすでにちゃんと利き手があるというわけですね。

また、ドイツのルール大学は、人工的に中絶された、8週目、10週目、12週目の胎児の脊髄を調べ、右脳と左脳で遺伝子の発現に差がないかということを調べました。

そうしたところ、8週目にはすでに左右の脳で遺伝子の発現に大きな違いが出ていて、週が進むにつれてさの差が小さくなっていくということがわかりました。

つまり、左利きか右利きかということは遺伝子そのものに違いがあるのではなく、遺伝子がどのように発現するかの違いであるというわけです。

左利きって遺伝でなるの?

これまで見て来たとおり、左利きか右利きかというのは、遺伝子によって引き継がれるというよりも、脳の発達の癖のようなものであるということがわかりました。

では、そもそもなぜ左利きの人の割合が極端に少ないのでしょうか。

単に脳の癖の問題であるとすれば、同じくらいの割合で左利きの人と右利きの人がいてもよさそうなものです。

過去には、人間以外の動物には「利き手」というのは存在しないとまで言われていました。

最近の研究でゴリラやクジラ、ネコにも利き手が存在するということがわかってきましたが、人間ほどはっきりとした利き手ではないといいます。

では、なぜ人間にだけ左利き、右利きがはっきりとあるのでしょうか。

これは、人間が高度に協力し合う生き物だからということが関係しています。

たとえば、道具を仲間と共有するとき、利き手が同じ方が便利でしょう。

いちいち、全部の道具を左利き用、右利き用と作らなければならないというのは手間がかかります。

ところが、左利きの人は競争したり戦ったりする場合に右利きよりも有利である場合が多いです。

今でもスポーツの世界で、左利きの選手がサウスポーと呼ばれて区別されたり注目を集めたりするのはそのためでしょう。

「多くの人が右利きでありながら、個性を生かせる左利きの人も中にはいる」という状態が、協力したり競争したりするという点で有利だというのですね。

左利きと右利きに違う特徴は出たりするの?

脳の特徴によって性格が異なるということもよくいわれます。

腕の組み方と手の組み方で脳の特徴と性格に違いが出るというのですが、一度チェックしてみてもおもしろいでしょう。

腕を組んだとき左腕が下/手を組んだとき左手が下という人

 真面目・努力家・几帳面

腕を組んだとき左腕が下/手を組んだとき右手が下という人

 完璧主義者・個性的・自己中心的

腕を組んだとき右腕が下/手を組んだとき左手が下という人

 社交的・おしゃべりタイプ・くよくよしがち

腕を組んだとき右腕が下/手を組んだとき右手が下という人

 楽天的・マイペース・直感で行動するタイプ

もちろん、すべての人がこの4パターンのどれかに当てはまるというわけではありませんが、左右どちらが優位かでこのようなこともいえるというのも事実なようです。

左利きが利き手で困ることはある?

さきほどから説明しているとおり、多くの人が右利きであるということから、道具や社会のシステムを右利き用に作ることで、大多数の人が暮らしやすいようにできているのが我々の社会です。

そのため、左利きの人にとってははさみや包丁などが使いにくかったり、自動改札機や自動販売機が使いにくいということが起こっています。

ただし、一方で左利きの人はスポーツで有利だったり、空間認知に長けているため絵が上手だったりします。

人間はさまざまな困難に立ち向かうために、利き手をどちらか一方に決めず、多様性を持たせるという選択をしてきたということなのかもしれません。

まとめ

今回は、なぜ左利きが生まれるのかということを掘り下げて考えてきました。

人間の利き手を決定するのに決定的なことはまだ言えないというのが現状のようです。

ただし、人間が持つ多様性の一つが利き手が人によって違うということであるのは間違いなさそうです。

野生の動物たちがしない、人間には「良い所を持ち寄ることができる」というのが、左利きも右利きも存在するということの理由といえそうです。

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